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しいちゃんの話


しいちゃんの事を、覚えている間に書き残しておきます。
ご心配くださった方々、すいません。
しいちゃんは 私達の力が足りず、亡くなってしまいました。
その時その時の感覚と言葉を そのまま ただ書きつづっているため
読みにくいかもしれませんし、日付に誤りがあるかもしれませんが、
今はこれでせいいっぱいです。

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しいちゃん
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生後3週目、3匹揃って産室から出てきた時は、皆同じ大きさでした。
特にCちゃんが大人しいという印象もなく、
数日たってもそんな雰囲気はありませんでした。
牧草を最初に食べ始めたのはCちゃんでしたし、動きも良かったのです。
でもCちゃんを最初に抱いた時の印象は「一番抱きやすい子」でした。


photo 2003.2.14

2月20日

大人しいのは性格ではない気がしてきました。
見た目には一緒でも、体重を量ってみると、他の子と差がついていました。
ママ似による体格差なのか(ママはパパよりずっと小さい)、
それともちゃんと食べていないのか?
(この頃から、Cちゃんだけが他の子と離れたところに居るのが時折見られました)
うんちの状態を見ましたが、他の子と同じような大きさの固いうんちをします。
おしっこも普通です。極端に抱きやすい事を除けば、問題ないようにも見えました。
食欲は他の2匹ほどではないですが、生牧草だけは美味しそうに食べます。


Photo 2003.2.18

2月23日

Aちゃんの里親さんがAちゃんに会いに来てくれました。
その時、Cちゃんも抱いてくださったのですが、
やはり大人しすぎるという感想を持たれたようでした。
私達はCちゃん達の体重を量り、正常範囲ではない可能性が高い、と考え
この日の深夜に Cちゃんの里親希望さんに連絡を入れ、体重の不安を告げました。

この頃 私達はCちゃんがしっかり食べられるように
他の子たちを別ケージに移して食事を与えましたが、
食べられる量には限界があるようでした。
ママがCちゃんにたくさんミルクをくれるよう、
夜から朝までの間、AちゃんBちゃんを別のケージにしてみましたが、
(AちゃんBちゃんはもう完璧に牧草とペレットを食べられる)
真っ暗な中でママうさがCちゃんにミルクをくれたかどうか、
確かめる事はできず、そっとしておくしかできませんでした。

2月24日

この数日、ママうさとCちゃんが離れがちで無視されているように見える時があり、心配の種でしたが
もう1つ、決定的に気になる事が発見されました。それは歯ぎしりの音。
しいちゃんだけが、 飲むときも食べる時も、はっきりと細かい歯ぎしりの音をたてはじめたのです。

しいちゃん急変 北摂救急病院へ

2月25日深夜(日付は既に26日)

そして、深夜。Cちゃんの歩き方が不安定になり、
既に夜の12時でしたが、深夜でもやっている北摂の救急動物病院に飛んで行きました。


photo 2003.2.26

点滴をしてもらいながら、便の検査をしてもらいました。
病院は当初寄生虫を疑いましたが、何も出ませんでした。
はっきりした結論を出すにはもっと検査が必要だけど、
とにかく低血糖に陥っているのは間違いないだろうという事でした。
気にしていた「歯」もみてもらいましたが、正常だそうなのです。
ママうさがCちゃんを無視している事を伝えると、
ママから見た子うさの優先順位がCちゃんが最も低かったので、
いつもおっぱいを後回しにされていたか、他の子に押しのけられて
十分におっぱいを飲んでいなかったのではないかというお話も聞かされました。


photo 2003.2.26

点滴は深夜12時半から3時までかけて行われました。
長い長い点滴の間、Cちゃんの様子をずっと見つめながら
私達はこの子を手元に残そうと決めました。
その時は口に出しませんでしたが、
二人ともCちゃんの名前は「しいちゃん」に決めていました。
安直ですが、ずっと呼んでいた名前だったから。
いつも持ち歩いている小型デジカメがあったのを思い出し、 医療処置の様子を記録することにし、何枚かしいちゃんの様子を撮影しました。


photo 2003.2.26

私達は診断書を貰い(近所の獣医さんに渡すため)、
すこし元気を回復したしいちゃんを連れて一旦家に帰りました。
救急病院では数日分のブドウ糖を処方して頂きました。

2月26日

家に帰ってからは、しいちゃんに2〜3時間おきのブドウ糖を経口投与。
・・スポイトを口からどけると、小さなピンク色の舌をのぞかせて舐めます。

夕方、ブドウ糖と別に猫用ミルクもペット用ほ乳瓶で投与。
・・1滴づつしか飲まないけど、飲むたびにやっぱりペロペロします。

牧草もペレットも食べなくなったしいちゃんに、柔らかい豆科の草を少し与える。
・・ほんの少しだけど食べました。

ママはこの日もやっぱり しいちゃんの側に行こうとしません。
他の兄弟うさとママはぴったりくっついて座っているのに、
しいちゃんだけ離れた場所でじっとするので、兄弟うさは別のケージに入ってもらいました。
ママうさとしいちゃんだけのケージにしてみたものの、
やっぱりママうさはしいちゃんを無視してしまうようです。
部屋はとくにあったかくしてあり、簡易ペットヒーターも入っていますが
しいちゃんはすぐに体温が下がってしまいます。

それでも、ブドウ糖の効果があってか、しいちゃんは少し元気になったように見えました。
ケージの中も時折ちょこちょこと歩きます。
夕方、しいちゃんを希望してくださっていた里親希望さんが来てくださいました。
しいちゃんの状態が悪い事、病院に行った事を説明して、少し抱っこしてもらいました。
優しく抱っこしてもらって、がんばってと声をかけてもらったしいちゃん。
そのあとは私が抱っこして暖めていましたが、
時折ふるふるとしている事から、状態が安定していないを痛感しました。


しいちゃん 近所の病院へ行く


快復する見込みがないのではないか そんな不安はすぐに現実のものになりました。
夜遅く、またしいちゃんの状態が悪くなってきました。
抱いていてもぷるぷると震えて、時折意識が混濁するようです。
私達は、救急でない近くの動物病院に電話しました。
以前から うさぎをちゃんと見られるという病院を 評判などからピックアップしてあり、
今回選んだのは、その中から選んだ最も近い病院でした。
しいちゃんの状態を電話で説明し、車で連れて行きました。

途中、しいちゃんは移動用バッグの中で動きまわっています。
動物病院につくと、先客があって、少し待たされるようでした。
看護助手さんに「先にお預かりしておきます」と言われ、
しいちゃんの入ったバッグを渡すと 助手さんはすぐに中に入って行きました。

どのくらい待ったでしょうか。10分?15分?20分?
先生に呼ばれて中に入りました。
その方はしいちゃんをバッグから取り出し、
しいちゃんを差し出しながらこう切り出しました。

「あの、既に呼吸のほうをしてないんですけど」

「は?」「え?」
私達は絶句してしまいました。
それはまるで、死んだ子を連れてきたのですか?と聞かれているかのようでした。
一瞬の”間”の後、私はようやく口に出して聞きました。
「でも、でも、連れてきた時はちゃんと生きて動いてたんですよ」
私がそう言うと、先生は
「でも呼吸は止まってますし、、」
とおっしゃるのです。

しいちゃんは私の手に渡されました。
先生は救命措置(酸素吸入)をするか?と聞きました。
しかし、小さすぎるので胃に酸素が入ってしまうとも言われ、
事実上無理だと言われているようなものでした。
私達が「結構です」とお断りすると、先生は
「お力になれず申し訳ないです」とおっしゃいました。

私はしいちゃんを渡された瞬間から 話を聞きながらずっと手の中で
心臓マッサージを続けていましたが、
しいちゃんの体はあったかいものの、目の光は消えていました。
なにより、しいちゃんは渡された瞬間から もう腕が固くなって硬直していたのです。

待合室で料金を払うまでの間、かなり長くまたされました。
その間もマウスツーマウスと心臓マッサージを続けていましたが、奇跡は起きませんでした。
なにより、しいちゃんは渡された瞬間から もう腕が固くなって硬直していたのです

「いきてたって。バッグを渡した時までは、いきてたんだよ」
「受付で(しいちゃんの入った)バッグ渡した後、いつ(バッグを)開けて見てくれたんやろ」

私達は待つ間、そんな事を少し話しましたが、うかつに声を出してしゃべると
大声で泣いてしまいそうだっので ぽつりぽつりとしか話せませんでした。

最後に霊園とか市役所とかの引き取りの話を聞きましたが、
役所はうさぎは引き取ってくれないので猫の子だとか言って渡すしかないと言われました。
役所の電話番号を書いた紙片を貰って病院を後にしましたが、
結局 某所に埋葬する事にしました。

そこは大小の木の根が土の中に縦横に張っていて真っ直ぐには掘れない所でしたが、
それも、かえって荒らされずにいいでしょう。
しいちゃんの顔のそばに、今日食べさせようと探した時見つからなかった
タンポポの葉を添えて、しっかり深く埋葬しました。
深夜のこと、誰もいない公園で、寒くて冷たいだろうけど、
木と木の間で、お昼にはぽっかり陽がさす場所を選んだから、
明日になれば暖かいお日様が慰めてくれるでしょう。

木の根に抱かれるようにしいちゃんが眠っている土の上には、
庭に植えようと思ってとってあった、野生ツルボの花の種などを撒きました。
私達ふたりは、しいちゃんにおやすみを言って その場を離れました。

おやすみなさい、しいちゃん、また会いに来るからね。
おやすみなさい


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